現実と虚構 誰も知らないほんとうのあとがき
NATURAL BORN SNIPER


魔闘戦記スナイパー【天空武闘決戦】

皆様、プレイして頂けましたでしょうか。
1年前の俺でも1年後の俺でも作れない、
今の俺にしか作れない、今だからこそのシナリオです。

そのために「なぜ制作したのか」を語らせてください。

まず、ごめんなさい。謝らないといけません。
このシナリオ、最後までプレイして頂けるとわかるのですが、実は
13周年記念じゃないです。もちろんその記念もありますけど、
じゃあ「そもそもなんでそんな中途半端な数字に?」
ってなったんじゃないかと思います。

「スナイパーのスピンオフを制作しよう」と思った別の目的があったからです。
具体的に6月17日に出したい、いや、出さなければならない。
そんな中で改めて本編のReadMeを確認すると

「2009年 6月17日 1話公開」

の文字。
これはもう、13周年も兼ねて、シナリオを絶対に出さなきゃいけない、そう思いました。

なので本音を言うともっと早く出せるようなら出しても良かったですし、
4月のエイプリルフールで予告……なんてのも考えてました。

特保と特報を掛けたギャグ


結局、時間はオーバーして、18日の午前1時にリリースすることになったのですが
それでも最後はパソコンの前でぶっ通しで作業して、命を削ってリリースにこぎつけました。

そのせいで……まぁ、多分、不備もあると思います。
なんなら紅蓮激の文字化け、直すのすっかり忘れてました。申し訳ございません。
何でWindows 10には行書体入ってないんだよチクショー!

なぜ【天空武闘決戦】を作ったか、
それは「THE MATCH 2022」の開催を記念したかったからです。
格闘技を知らない人、多分SRC界隈には多いと思います。
何なら僕自身、2年前はそこまで興味はなかったです。
「K-1ってAbemaで細々やってるんだなぁ」それぐらいの感覚でした。
なので今僕は自分を格闘技に復帰したばかりの「にわかファン」だと思っています。

「メダロットGS」を制作してた頃の僕をご存知の皆様なら
「天鋼と言えば格闘技!」みたいに思っているかもしれません。
ですが僕はK-1の地上波放送がなくなってから
格闘技に対する熱がなくなってしまった……
そう言っても過言じゃないと思います。

そこからできたのが「魔闘戦記スナイパー」。
その当時はニコニコ動画の全盛期ともいえる時期で、
僕も「某格ゲーエンジン」の大会動画やストーリー動画にハマっていました。
僕の意識は「現実の格闘技」より「虚構の格闘ゲーム」に行ったと思います。
それらの影響がスナイパーに詰まっていたのかと思います。

ですがその頃私は20歳を過ぎ、創作に対するモチベーションも、
徐々になくなっていった……と思います。

事実、3話が2012年、4話が2015年と考えると、だいぶ間が開いてしまったな……
と、虚しく思います。

それでも僕は創作を諦めきれず、今でも少しずつ、スナイパーの5話を書いてますし、
何なら水面下でメダロット題材のシナリオも書いています。

5話


ですが、モチベーションは「GS」の時ほど出ず、何年も何年も経っている……
そんな感じです。

そこでヒーローが現れました。
最近僕がよくリツイートしているK−1ファイター。

武尊(たける)です。

武尊選手は2014年辺りから始まったいわゆる「新生K−1」のチャンピオンで、
無敗で3階級を制覇した、本当に強い格闘家です。

それで武尊選手の試合からパワーをもらう人も多く、
実際に僕の兄が2021年の「武尊vsレオナ・ペタス」からパワーをもらい、
僕もその影響で、Twitterには書いていないのですが、
2021年が色々あって「転機」の年になりました。



武尊選手は紛れもなく僕らのスーパーヒーローである。
そう思います。

そんな中、自分の中で一つ思うことが生まれました。
僕が作ってきたシナリオ「メダロットGS」の主人公「天野川光太郎」。
彼は将来「人に夢を与えるキックボクサーになりたい」という夢があります。
その夢は、魔闘戦記スナイパー作中で、主人公「林賀初斗」の師匠として、
成長した光太郎が出ることで、叶えた、と言ってもいいと思います。

「人に夢を与えるキックボクサー」

……あれ?これって武尊じゃないか?
GSの舞台が2026年、そう考えると光太郎は2021年で10〜11歳。
光太郎が武尊選手を見ていてもおかしくない、
もちろん、この世に「天野川光太郎」なんて少年はいない。
虚構の存在だ。しかし何故か……
「現実と虚構がリンクした瞬間」そんなものを感じた。

そして2021年12月24日。歴史が変わった瞬間である。
「那須川天心VS武尊」の決定。



この二人は別団体の選手であり、両者のファンから対戦が望まれつつも
実現しなかったいわゆる「夢の対決」である。相手の那須川天心に至っては
「キックボクシングを引退し、ボクシングに転向する」という宣言までしており、
「実現できそう」と思われつつあった空気も、「無理なんだな」と
なっていった中でのニュースである。

……もっと詳しく書きたいのですがこの話は「私のシナリオの話」なので
心苦しいのですが省略します。

そのニュースを聞いて思う。
「この大会を記念したシナリオを作ろう」と。

自分が武尊選手の戦いを見て、得たパワーをシナリオに込め、
誰かのパワーになって欲しい、そう思った。
何年も更新していないシナリオなんて多分誰も覚えてないだろう。
それでも何かを出し、何かを変えたくなった。
ぼんやりとそう思った1月。

これが「魔闘戦記スナイパー【天空武闘決戦】」を書くに至った経緯でした。
(熱が入るとですます調忘れちゃうなぁ……)

そうして、手を付け始めたシナリオ制作。
最初はぼんやりとした感じで脳内に「こんなかんじー」みたいに何を書こうか、
というのは最初から決まっていた。

魔闘戦記スナイパーは2048年を舞台にしたストーリーなので、
初斗たちは、2022年のことはもう既に知っている。
未来から「2022年にこんなことがあったよ」なんて言っても、
さほど面白くないと思ったので、歴史改変を阻止する話しかない、と思った。
「THE MATCH 2022」はそれほど後の未来にも与える歴史になると思っていたからだ。

そして生まれたのが
「未来人が来て過去に行き歴史改変を阻止しに行く異世界ファンタジーのスピンオフ」
である。

……我ながら「なんじゃそりゃ」である。

基本的にやりたかったことは「この大会が天野川光太郎の原点である」ということ。
この大会で得たものは光太郎から初斗へと受け継がれる。
それがこの先の未来へ繋がっていく……
「パワーの継承」がこのシナリオで書きたかったことである。

とまあ、シナリオの方向性自体はだいぶ最初から決まってはいたものの、
実際に話が動き始めたのは4月ぐらいで……

そこから少しずつ、少しずつ作って行ったものの、6月に入ったあたりで
「これ、間に合うのか?」という思いが……

上で言ったように、自分の中で「6月17日に絶対出す」と決めていました。
ラスト1週間はマジで追い込みました。本気で命を削ったといっても過言ではない
と思っております。

ラストの4話に至っては本当に2日ぐらいで作りましたし、
ユニットアイコンも20分ぐらいで作りましたし、
戦闘アニメも簡易的な物ですし、
大昔の自分が作ったAnimationデータがマジでわかりづらくて
昔の俺あの野郎、って思ったものです……

なのでこう、この半年、シナリオ制作に本気で向き合って、
GS最終回以来の「最終決戦」を書けて、
なんだか、こう、「創作の楽しさ」を思い出せた、
すごくいい経験になったな、と思います。

追い込みはもう二度とやりたくないですけど。

そんなシナリオでも、本当に自分のやりたかったことは、
ほぼ全てできたと思ってます。
私がシナリオを出さなかったここ数年、
「こういうことやってみたいなぁ」と思っていたことはいくらでもありました。
いや、シナリオを出していた時でさえ
「やりたかったけど結局できなかった」ことがあった、
なので今の自分の全力を込めた。

挿入歌を入れたい。
カーフキックを使いたい。
GS当時から思ってた流太郎を書きたい。
クロスオーバーを書きたい。
槍使いを出したい。
影響を受けた、アニメ、特撮の要素を入れたい。
甘茶さんのBGMを使いたい。
ビジネスホテルに泊まったら部屋が端っこでなんか
「端っこに追いやられた感じがした」実体験を書きたい。

そんな感じで自分の中の「やりたいこと」
全て……とまではいきませんが、やれる限りをこのシナリオに注ぎこみました。

このシナリオを一言で言うのであれば、
「現実と虚構がリンクして、自分の中の全てが合致して生まれた作品」
だと、思います。

今回、3年ぶりの更新、7年ぶりのシナリオ公開。
まぁ……多分またしばらく更新はしないのかな?と思ってます。
またアイコン打ったり、色々やってみようかな、と思います。

ただ、時間がかかっても「魔闘戦記スナイパー」本編を
諦めるつもりはないですし、また更新したいと思ってます。
何時になるかわかりませんが、更新されたときはプレイして頂けると嬉しいです。

長々と失礼しました。
まだ語りたいことはあるのですが、このあたりで終わりにしようと思います。
さっきも言いましたが、このシナリオ制作を通して「創作の楽しさ」を思い出せた、
いい機会にもなったと思います。

僕個人は、K−1ファンです。
それでもこのシナリオを書くにあたって両者極力フラットに扱ったつもりですが……
まぁ、K−1寄りになっちゃったかな、と思います。
それ故に大会の結果は……残念と言わざるを得ません。

ですが、僕は格闘技、そしてTHE MATCH 2022のおかげでシナリオ制作に復帰できました。
元々格闘技とメダロットを組み合わせたシナリオを書いていました。
格闘技から始まったシナリオ制作。そして格闘技で復帰したシナリオ制作。
不思議な縁を感じます。

SRCと格闘技。
全く関係ないもの同士。
ですが、それを繋いだパワーがあった。
そのパワーで【天空武闘決戦】を世に出せた。
この作品のパワーが、何かに繋がってくれればいいな、と思ってます。

ありがとうございました。
とりあえずあとがき出すのに時間かかっちゃったし、
そろそろ次のステージに行きたいかな。

俺たちの思いは、百年続く!!

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